有機農法。農林水産省のHP
https://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/yuuki/
によると
「有機農業の推進に関する法律」による有機農業の定義は以下のとおりです。
- 化学的に合成された肥料及び農薬を使用しない
- 遺伝子組換え技術を利用しない
- 農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減する
農業生産の方法を用いて行われる農業です。
有機農産物とは
- 周辺から使用禁止資材が飛来し又は流入しないように必要な措置を講じている
- は種又は植付け前2年以上化学肥料や化学合成農薬を使用しない
- 組換えDNA技術の利用や放射線照射を行わない
など、「有機農産物の日本農林規格」の基準に従って生産された農産物のことです。
とのことです。
有機栽培で野菜が美味しくなるかどうかは分かりませんが、
無農薬、無化学肥料、無除草剤で美味しくてきれいな野菜を作ろうとすれば、
収穫できる量がものすごく少量になるか、
とんでもなく大きなエネルギーを使うかのいずれかになります。
有機栽培は地球的環境負荷の大きな農法、あるいはとんでもなく高コストな農法です。
野菜が美味しいかどうかは、品種、収穫適期、鮮度、それから地力(&施肥)、日照(&気温)、降雨・水捌けでおおかた決まります。
味に関して言えば、有機(無農薬、無化学肥料、無除草剤)かどうかなど、どっちでもいいことです。
無農薬、無化学肥料、無除草剤と一口に言っても、その影響は多岐にわたります。
- 無農薬にすれば、害虫も、益虫も、そのどちらでもない虫も、毒で殺すことは無くなります。
- 無農薬、無除草剤にすれば、農薬代が浮きます。
- 無農薬、無化学肥料、無除草剤にしても、通常は農産物の安全性は変わりません(事故の場合は別です)。
- 無農薬、無除草剤にすれば、農薬、無除草剤以外の方法での防除が必要になります。
- 無化学肥料にすれば、化学肥料代が浮きます。
- 無化学肥料にすれば、それ以外の方法で肥が効くようにする必要があります。
無農薬で虫食いのない充実した農産物を作るには、農薬以外の対策(高コスト・高労働負荷)が必要です。
それなしに良いものができれば、それこそ「奇跡」です。
奇跡頼みの経営をしてはいけません。
有機栽培にすれば絶対にコストが跳ね上がります。消費者はそれだけの対価を払うのでしょうか。
また、それは単にお金の問題ではなく、限りある資源の有効活用の観点から有機農法みたいなものをもてはやす軽薄な風潮はどうかと思います。
まあ、しかしそれで儲けている人もたくさんいるのでしょう。
家庭菜園的な、あるいはごく小規模で、低コストで良い野菜ができる環境に恵まれた農家は、有機栽培をやればいいと思います。
有機栽培の方が美味しいとか、優れているということはありませんが、簡単にできる場合は避ける必要もありません。
が、たいていは有機栽培は貴重な資源の無駄遣いです。