いきなり結論です。「朝採り」は甘いとは限りません。「当日採り」が甘いです。
数年前、同様の話題でブログを投稿したことがあるのですが、
毎年毎年、とうもろこしを作り続けて、いろんな時間帯に収穫して、食べて、食べ続けて、私なりの確信を得ましたのでここに
記しておきます。
スイートコーンの収穫時間帯で、一番甘いのは、昼~夕方採りです。
こう書くと、なぜそうなるのか? また、ではなぜ世の中では朝採りを強調するのか?
という疑問がわいてくると思います。
昼~夕方採りが一番甘いのは、事実として間違いありません。採り続けて、食べ続けていますので、間違いないです。
理由を考えてみたのですが、とうもろこしの実の中の糖分は1日のうちにそんなに増減するとは思えません。
増減するのは水分ではないでしょうか?
朝のとうもろこしは、よく言えば瑞々しく、悪く言えば水っぽい。
昼間のとうもろこしは日を浴びて水分が搾られているはずです。
結果、相対的に糖度が上がるのではないでしょうか?
科学的な手法を使って調べたわけではないのでなんとも言えませんが、そんなところだと思います。
次に、朝採りについて。
スイートコーンは収穫直後が一番甘く、時間・日数が経つにつれて甘さが薄くなっていきます。
しかし、収穫後に自ら手売りするのでなければ、すべて流通に乗ることになります。
流通に乗せても収穫当日に販売したければ、収穫の時間帯は朝までです(昼間に収穫したとうもろこしは、流通に乗せれば早くても翌日販売になるでしょう)。
そこで誠実でやる気のある農家と小売り業者が、朝採り→当日流通→当日販売を始めて評判になったのだと思います。
それは美味しいはずです。
しかし、実はスイートコーンは、(北海道などの大規模農家を除けば)ことさら朝採りを強調しなくとも、普通に夜中~朝に収穫されることが多いと思います。
なぜなら、真夏の昼間の収穫は体力的にきつすぎるから、また収穫したとうもろこしを炎天下に置くのは得策ではないからです。
つまり、世の中のスイートコーンは、だいたい朝採りなのです。
何日前に収穫した品物でも「朝採り」というのは事実なので、
そう書いておけば売れ行きがよくなるため、猫も杓子も「朝採り」「朝採り」となるのだと思います。
スーパーで、「朝採り」と書いてあるのに、軸の切り口が萎びていたり、苞葉(いわゆる皮)が乾燥していたり、いわんや粒がへこんで硬そうになっているとうもろこしをみかけると「何日前の『朝』なんだよ...」と思わずツッコミたくなります。
結論として、「朝採り」は甘いとは限りません。「当日採り」や収穫してからできるだけ時間の経っていないものが甘いです。
それも収穫適期をしっかり見定めて収穫されたものに限ります。